新長谷寺

新長谷寺

新長谷寺 縁起

 仰々ご本尊十一面観世音菩薩は聖武天皇の時代に奈良の長谷寺(豊山派・総本山)に安置すべき本尊に先立って試みに作られて後、行基菩薩が浪華の浦より虚舟に乗せ「仏法有縁の地に到りて衆生を済度給へ」と流したところ当地寒川の浜黒岩に漂着し村人によって山腹に奉祀されました。

 其の後 行基菩薩が四国巡錫の砌隅々此の地に来りて観音さまへ参拝し見ると不思議にも以前に自ら流せし尊像なるに驚き感涙にむせび乍らこの事を宮中に奉上し勅命を蒙り 天平2年 立石大門(国道11号線近く)と称する所より山腹に及ぶまでの広大なる寺域に堂塔一大伽藍を完成し、入仏開眼供養を行い長谷寺に因み 豊岡山新長谷寺と称し隆盛をきわめる しかるに度重なる山津波や天正13年火災等のためやむなく縮小 現在に至る

 ご本尊は安産守護の霊験特にあらたか也


新長谷寺仁王門

新長谷寺仁王門(しんちょうこくじ におうもん)

(市指定文化財 建造物)


 この門は、本瓦葺、三間一戸、格子窓付で仁王像を安置しています。桁行3間(680cm)、梁間2間(380cm)、折衷様式で多くの特色を持っています。

 まず、切妻造の屋根に寄棟造の上屋をのせています。この上屋には漆喰塗りごめで花頭窓が付いています。このような形式の山門は県下では見ることのできない珍しいもので高楼付建物の系統を引くものです。棟瓦に菊と桐紋をつけ、棟飾には鯱をのせ武家風の華やかさをたしています。妻飾りは、蕪懸魚で鰭は彫りの強い花模様となっています。入口天井の前半分は鏡天井、後ろ半分は格天井、仁王像の天井は棹縁天井となっており過去の修理をあらわしています。柱は6寸の角柱で面取柱とし、柱根に銅板製唐草模様付の根巻金具をつけ、礎石は自然石を用いています。軒回りは斗供を用いず軒下は疎垂木で全体に簡素な雰囲気を示しています。この門は昭和53年に解体修理されました。なお門内に保存されている古い仁王像は一木造で平安期の古様式を残す貴重なものです。

新長谷寺仁王門
新長谷寺仁王門
入口天井
入口天井
自然石の礎石
自然石の礎石

新長谷寺

〒799-0431

愛媛県四国中央市寒川町3214

TEL 0896-25-0202


黒岩の由来


養老5年(714年)西国第八番長谷寺の本尊を造刻するにあたり、仏師の技価を見ようと試みに造られた十一面観音像を行基菩薩が浪華浦から「仏法有縁の地に至れ」と念じて虚舟に乗せて流したところここ黒岩海岸に漂着しました。

よってこの黒岩のことを影向石とも呼ばれ、かっては白砂青松に点在し、この碑も海中にあり波切不動尊として漁夫に尊崇せられていましたが、昭和58年埋立造成によりやむなく現地に浮上したものです。なお、尊像は南の山腹、新長谷寺に奉安いたしております。

 

御詠歌

初瀬よりここによるべの浜波に

ふかき縁のあらわれにけり

 

寒川黒岩(さんがわくろいわ)

(市指定 有形民俗文化財)

〒799-0431

愛媛県四国中央市寒川町4765−45

 


黒岩近くの名物うどん


黒岩近くにある名物うどんは、知る人ぞ知る、結構かなり有名? 自販機のおうどん屋さんです。

寒川うどん自販機

(大久保自販店 寒川販売所)

〒799-0431

愛媛県四国中央市寒川町4765−55

24時間営業


新長谷寺フォトギャラリー